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ひかりのおと 北京上映報告!

先日、山崎監督も参加しました中国・北京での『ひかりのおと』上映。
コーディネーターの中山大樹さんからの現地リポートです!



北京宋荘における上映についての報告
2012.12.2 中山大樹

会場:北京・現象芸術中心
日程:2012年11月26日、27日
主催:現象芸術中心
共催:泰達当代芸術博物館、栗憲庭電影基金
企画:朱日坤、中山大樹

<上映日程>
26日14時〜 『ひかりのおと』山崎樹一郎監督 上映+Q&A
   16時半〜『美しい術』大江崇允監督 上映
   18時〜  ゲストトーク(山崎樹一郎監督×濱口竜介監督)
27日14時〜 『PASSION』濱口竜介監督 上映+Q&A
   16時半〜『なみのおと』濱口竜介、酒井耕監督 上映 


現象芸術中心
ひかりのおと 北京上映報告!_d0237485_2135213.jpg北京郊外の宋荘という芸術家村に2008年に設けられた映画館とカフェからなる施設。これまで中国ドキュメンタリー映画祭や北京インディペンデント映画祭といったインディペンデント映画のイベントを数多く開催している。
日本との映画交流も設立当初から行われており、これまで大津幸四郎氏や原一男監督、池谷薫監督、石坂健治氏、藤岡朝子氏なども訪れている。
今回は天津での上映にあたってゲストが訪中するとあり、せっかくなので北京でも上映する機会を設けようとのことで、急遽日程が組まれた。


<26日の上映>
ひかりのおと 北京上映報告!_d0237485_2145853.jpgひかりのおと 北京上映報告!_d0237485_216495.jpg月曜日の午後ということで、アクセスの悪い郊外の宋荘に来ることが出来る人は限られていたようだが、それでも30名前後が集まってくれたようだった。
中には映像作家の黄驥、大塚竜治、顧桃、海波といった人たちも来ていたし、宋荘や798芸術区に住む芸術家も多数参加していたようだ。

まず『ひかりのおと』が上映され、その後現象芸術中心の朱日坤が司会、中山大樹が通訳で山崎樹一郎監督と監督のQ&Aが行われた。
山崎樹一郎監督は天津での上映には参加できなかったが、北京での上映だけのために岡山から参加された。

質問は制作の背景や日本での上映状況についてが中心だった。自分たちで出資して作った映画を政府も応援し、上映で資金回収が可能であるという日本の状況を知り、中国よりもずっと恵まれているという印象を受ける観客が多かった。中国では政府が小規模の自主制作映画に資金援助することはありえないし、映画館はシネコンしか存在しないため、興行収入のいい大作映画以外が映画館で上映されることはまずない。


ひかりのおと 北京上映報告!_d0237485_218114.jpg続いて『美しい術』が上映され、その後山崎樹一郎監督と濱口竜介監督が登壇し、日本の独立系映画の状況についてなどを1時間程度話した。
濱口監督から『美しい術』を中国の観客がどう見たか気になるので聞いてみたいという言葉があり、観客からはそれに答えて「私も登場人物と同じくらいの年齢の女性で、現在職がなく、置かれている状況が似ているので、とても共感する」という返答があった。
ただ一方では、「中国は政治体制も日本とは違い、庶民はもっと苦しい状況の中でもがくように生活している。都会の若い人には共感できる人もいるかもしれないが、私は違った」と語る50代男性もいた。
王兵の『鉄西区』を観てドキュメンタリーを作ることを諦めたという山崎監督は、確かに中国と違って日本はテーマが見つけにくいと話、濱口監督は日本国内でしか共感を得られにくい作品が多いことが、世界で日本映画があまり評価されない理由かもしれないと話していた。



<27日の上映>
この日の客席も前日と同じような顔ぶれが集まっていた。他に王宏偉や楊瑾、王我といった映画関係者も来ていたし、イギリスの大学で映画を研究しているという人たちも来ていた。

ひかりのおと 北京上映報告!_d0237485_21102256.jpg『PASSION』の上映に続き、濱口監督とのQ&Aが行われた。
大学院の卒業制作ということで、どのように制作されたのか、その後の上映はどう行われたのかといった質問が続いた。
ただ、後から聞いた話では、多くの人は中国の作品との違いに驚いていたようだった。王我はリメイク権を中国の映画会社に売るべきだと言い、王宏偉は機会があればプロデューサーとして中国映画の監督を濱口監督に依頼したいと話していた。

続いて『なみのおと』が上映された。ただ、この回になると客がやや減っていた。震災への関心が低く、ドキュメンタリーの手法がどういうものかを知ろうという見方で来た人は、インタビューだとわかった時点で去ってしまった人もいた。震災への関心が低かったり、東日本大震災についての基礎的な知識の量が異なるというのは仕方がないにせよ、被災地の人々の声を聞こうと思わない人が多いのは非常に残念だった。
ただ、天津での上映では好評だったし、客層によっても反応は異なると思われるので、今後も機会をみつけて上映したいと思う。



今回に引き続き、12月9日(日)に、四川省成都にある橙天嘉禾成都富力影城(なんと中国のシネコン!)での上映が決定しました!
中山さんのレポートが届きましたら、またご紹介させていただきます!
by hikarinootoblog | 2012-12-05 21:14 | リポート


岡山県真庭発、映画『ひかりのおと』の新着情報など 


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『ひかりのおと』公式HP
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