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ひかりのおと 成都上映報告!

天津、北京での上映に続いて、四川省成都での『ひかりのおと』上映。
コーディネーターの中山大樹さんからの現地リポートです!



成都・日本独立電影展の報告
2012.12.12 中山大樹

会場:富力天匯MALL・成都橙天嘉禾影城富力店(OSGHシネマ)
日程:2012年12月9日
主催:放客電影社
共催:橙天嘉禾影城、八又二分之一、明日・快一週、泰達当代芸術博物館
企画:陳心中、中山大樹

<上映日程>
9日14時〜 『美しい術』大江崇允監督
  17時〜 『青すぎたギルティ』平波亘監督
  20時〜 『ひかりのおと』山崎樹一郎監督

<成都市について>
成都市は中国の中央部に位置する四川省の省都で、人口は約1400万人、アメリカなど各国が領事館を置く、中国西南地区の中心的な都市である。首都から遠くはなれているため、古くからあまり中央の干渉を受けない、自由な文化を好む土壌が形成されており、美術や音楽、文学が盛んである。インディペンデント映画の上映をしているグループも複数あり、数年前から頻繁に活動している。

ひかりのおと 成都上映報告!_d0237485_23415985.jpg近年は経済発展に伴い街の大部分が再開発され、シネコンを持つショッピングモールが中心部に林立している。そのため映画館の間での競争が激しく、少しでも他館と差をつけようとしている。通常であれば映画館は検閲を通して上映許可を受けている映画しか流すことはできないが、成都の映画館には貸切でホールを提供しているところが多く、そこではさまざまな作品が自主上映されている。これは政治圧力の強い北京などでは行われていないことで、成都の自由さが伺える。(写真:会場のシネコンが入っている富力天匯MALL)

<企画者・陳心中と李文勝>
ひかりのおと 成都上映報告!_d0237485_23395859.jpg今回の企画は北京での上映を観に来ていた写真家の海波氏が、成都在住の陳心中に上映するよう薦めてくれたのがきっかけで、陳心中が知人たちに話をもちかけて実現した。
陳心中は成都出身の映画作家である。清華大学を卒業後、アメリカに留学して映画を学び、中国に戻ってからはインディペンデントで映画を制作している。これまで四川大地震を扱ったドキュメンタリーなどを発表しており、現在は成都を舞台にしたフィクションを制作中。四川省における数少ない映画作家のひとりで、幅広い人脈を持っている。
今回イベントの費用を提供してくれたのは李文勝氏という実業家である。詩人や囲碁棋士の面倒をみたり、文学家のサロンとなるバーを経営するなど、四川の民間文化を資金的に支えるパトロンのような存在だ。今回は陳心中から依頼を受け、ポケットマネーで資金提供してくれた。(写真:右から2番目が陳心中、3番目が李文勝氏、左端は「明日快一週」の編集長、左から2番目が八又の媛子、左から3番目が筆者)

<主催団体・放客電影社>
ひかりのおと 成都上映報告!_d0237485_23401498.jpgひかりのおと 成都上映報告!_d0237485_23423838.jpg放客電影社とは、音楽演奏や映画上映をするバーを経営している「八又二分之一」と、成都のタウン誌「明日・快一週」の編集部、そしていくつかの映画館が合同で運営している映画上映団体である。毎週のように市内で何かしらの映画を上映しており、その都度ゲストを迎えて質疑応答などもしている。
八又二分之一は数年にわたる活動を通じて定着している客が多くおり、また「明日・快一週」は紙面を通じて常にイベントの情報を発信しているので、安定して多数の観客を獲得している。




<橙天嘉禾影城>
橙天嘉禾影城は、全国27都市に37館を展開、他にも香港やシンガポール、台湾に映画館があり、昨年末時点で世界に57館433スクリーンをもつ大きな会社である。今回会場となった橙天嘉禾影城富力店は、成都の中心に位置する天府広場からほど近い富力天匯MALLというショッピングモールの最上階にあり、スクリーン数9つのきれいなシネコンである。
富力天匯MALLは2010年12月に開業したばかりで、ユニクロやH&M、中国西南部唯一のスケートリンクなどがあるが、まだテナントは半分もうまっておらず、休日でも閑散としている。そのため橙天嘉禾影城富力店も積極的にスクリーンを貸し出している。今回は日本映画を特集上映することや、メディアに取り上げられることもあって、単なる貸切ではなく売上が低くても最低保障を要求しない共催という形で協力してくれた。
今回借りた「スクリーン3」は客席数が88あり、スクリーンは10m×5mと大きい。上映は備え付けのプロジェクターにノートパソコンを接続して行われたが、映像。音響ともにこれまでの上映に比べて格段に良かった。

<観客>
ひかりのおと 成都上映報告!_d0237485_23433728.jpgイベントが急に決まったこともあり、雑誌での宣伝はできていなかったが、ネットでの宣伝を見て多くの観客が集まった。日曜日ということもあり最初の回でほぼ満席となった。
その後は時刻が遅かったりして観客が減ったが、それでも30人を下回ることはなかった。これはこれまでの放客電影社の上映の中でも、特に多いほうだという。
客の多くは大学生で、中でも映画を学んでいる学生が多かった。今は多くの大学がキャンパスを郊外に移転しており、学生は遠路をわざわざ来ている。
八又二分之一の媛子によれば、映画専攻のある大学に向けて宣伝を行ったために、多くの学生が来たのだそうだ。
今回は、会場費としての20元(学生は15元、1元は約13円)だけを入場料として徴収した。無料で上映した北京では途中で退席する観客も多く見られたが、ここではそういう観客はほとんどなく、まじめに見ている人が多かった。
中国では各地にこのような自主上映をするグループがあるが、有料で上映しているところは非常に少ない。せいぜいカフェで上映するときに飲み物代を徴収するくらいである。

<反応>
すべての回で、上映後に質疑応答を行い、質問や感想を出してもらった。監督がいないので内容に関する質問は少なかったが、とても積極的で、質疑応答終了後にも会場の外で話しかけてくる人が多くいた。出された主な質問や感想は以下のとおり。

『美しい術』
「俳優はプロなのか」「舞台となっている都市はどこなのか」「日本人にとって高校時代というのは特に思い入れが強いのか」

『青すぎたギルティ』
「この映画で言わんとする罪とは何か」「男のキャラクターがどれも魅力的で、女のミュージシャンはセクシーだ。ただ、少し残酷過ぎる」

『ひかりのおと』
「牛の出産のシーンは脚本段階で考えたのか、たまたま映画に取り入れたのか知りたい」「タイトルの意味がよく分からない」「今日見た3本ともストーリーが暗いが、日本の若者は苦悩が多いのか」「『美しい術』と同じ女優が出ているが、何か理由があるのか」


<総括>
5本全部見たという人も少なくなく、ネットにも「日本の映画はソウルを持った人に見せるものだ」など、全体としての感想が書き込まれていた。また上映して欲しいという人や、中には平然と映画をコピーさせてくれと言う人もいた。反応はいずれも好意的なもので、質疑応答の際に次回もまた成都で上映したいと言うと大きな拍手が起こった。
今回は話が急に決まり、準備期間が短すぎたが、それでもこれだけ客が集まったのは非常に意外だった。イベントの企画や運営をした人たちも、来年はもっと規模を大きくして、監督も成都に招こうという意見で一致していた。来週号の「明日・快一週」では早速このイベントを記事にするようだ。
映画館でこのようなイベントが開ける都市は少なく、まして今のように日中関係が難しいときに、メディアでも取り上げ、これだけ堂々と開催できるのは成都ならではと言える。これだけ恵まれた条件があるなら、今後もっと成都でのイベントに力をいれてもいいだろう。
by hikarinootoblog | 2012-12-14 23:46 | リポート


岡山県真庭発、映画『ひかりのおと』の新着情報など 


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『ひかりのおと』公式HP
http://hikarinooto.jp

お問い合わせ先
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